旅行記ブログ:りり記

剱岳最大の難所。カニのタテバイ&ヨコバイの恐怖…!!

time 公開日:2017/03/04   

え、うそ……!?
足の置き場が、どこにも…ない…!!

剱岳最大の難所で、岩にへばりついたまま動けなくなりました。

これ以上は進めない。けれど、これ以外に道はない。
ううう…一歩も動けない@断崖絶壁なう。

いや待て。必ず道はあるはずだ。
焦る気持ちを抑えて、必死に足場を探します。

…ない。
こりゃ、わたしの足が短いせいか?
だから足が届かないというのか…?
あーもう、どうしよう…。

思えば、ここまでの道のりはとても長かったのです。

剣山荘を出たのは、早朝5時半。

このときは笑顔だった。

念のためヘルメットを借りる。1日レンタル料:500円

いざ出発…!

ゴツゴツした岩山を、よいしょ、よいしょと登っていき

山小屋から30分ほどで

第一のポイント「一服剱」に着きました。

真正面に堂々とそびえたつ前剱。すごい迫力。これから、あそこを登るのか~。

…ん? なかなかの急斜面なんですけど。大丈夫かいな…。

不安を紛らわせるため、とりあえず剣山荘でもらったお弁当を食べます。

振り返ると、さっきまでいた剣山荘があんなに遠くにありました。

雲に積まれた剱岳は神秘的であり、少し不気味でもありました。

…いや、大丈夫。槍ヶ岳だって登れたし、なんとかなるはず。よし、行こう!

(※槍ヶ岳の登頂レポート → 「登山初心者だけど、槍ヶ岳に登ってきました!

ゴロゴロした石の道を登っていきます。

このガレ場がけっこう長かった。

不安定な浮石に気を付けて、慎重に進みます。

なかなかハード。

しかも途中から雨降ってくるし…(泣)

鎖の岩場を抜けると、

第二のポイント「前剱頂上」に着きました。

さて。これから先、どうしようか。

滑落の多い難所がせまっている上に、雨まで降ってきたのです。撤退を考えざるを得ません。まだ小雨だからいいけれど、これ以上降りが激しくなるなら、絶対に戻るべきです。

山は逃げない。勇気ある撤退こそ、次への挑戦を生むのです。

…でも行っちゃった。「ここまで来て引き返すなんて、絶対後悔するよ!」という悪魔のささやきに抗えず。心なしか雨も弱くなってきたしね。

チングルマの実がキラキラと水滴を輝かせていました。

そういえば下のほうでは、かわいい花を咲かせていたな。
 ↓

この花がどういうプロセスを経て

こうなるのか。どっから、この赤い毛が出てくるのか。疑問を残しつつも、先へ進みます。

うわぁ。なんか、ここ怖いんですけど…!

落ち着いて慎重にクリアするとさらなる関門が。

恐怖の鉄橋です。

ツルッと足が滑って、右の崖を転げ落ちていく自分を想像しちゃダメ。ただ前だけを見て、進みます。

すると、その先に待ち受けるのは、

切り立った崖の鎖場です。

不幸中の幸いというのか、曇っているせいで高度感が感じられず、さほど怖くありません。

鎖に沿って少し下り、

また岩場を登っていくと

あ、これは……! 

剱岳の難所「カニのタテバイ」か!?

……と思ったら、

第三のポイント「平蔵の頭」でした。

見た目はハードですが、しっかりとした足場があるので、意外と簡単です。

あー、楽勝、楽勝……ガツーン!!!

あ、痛ー!! 急に頭に衝撃が走りました。

調子に乗って登っていたら、固いもの(岩か杭?)に頭を強打したのです。帽子のツバが邪魔で、視界が狭くなっていたせいだ…。くうう。

でも下からどんどん人が登ってきているので、こんなところで、立ち止まるわけにもいきません。

幸い、かぶっていたヘルメットのおかげで頭へのダメージは少なく、すぐに痛みは消えました。ヘルメット借りといて良かった…。

下って、

上って

少し歩くと、

雪の壁が現れました。

すごい大きさ…!

さらに登っていくと、

…ついに来ました! 剱岳最大の難所といわれる「カニのタテバイ」です。

約50メートルの岩場が、わたしたちの行く手を遮ります。

よし! 今こそ、ボルダリングジムでの練習の成果を見せるとき。気合を入れなおし、垂直の壁を登っていきます。

あ、なんか、想像してたほど難しくはないかも?

足場もちゃんとあるし。ボルダリングよりは簡単なんじゃない、これ。

…と思ってたら、さっきより雨の降りが激しくなってきました。一気に難易度アップ。

とりあえず滑らないように、慎重に進みます。

それにしても、槍ヶ岳より全然キツイな…。むしろ比べ物にならない。槍ヶ岳の最後のキツイ登りなんて、剱岳に比べたら、一瞬のアトラクションでしかありません。

参照:槍ヶ岳の最後の上り

いや~、しんどい。でも事前にボルダリングをやっていたおかげか、岩登りが楽しく感じます。次の一手、次の一歩を考え、ひたすら上へ上へと登っていく。

ただただ、今、この瞬間、この岩に集中して、少しずつ上の世界に向かっていきます。

ようやくカニのタテバイを越え、

最後のガレ場に出ました。

そして、もう少し進むと、

わ~!! ついに剱岳の頂上に到着しました!!

視界は真っ白。眺望ゼロです。

でも、嬉しい~! 達成感でいっぱいです。
剣山荘からここまで、4時間半以上かかっちゃったけど、無事に登れて本当に良かった。

雨降ってなきゃ、もっと良かったんだけど…(泣)

しばし頂上の景色(主に霧)を楽しんだ後、下山します。

あとは下るだけ……といっても、まだまだ気は抜けません。この先には、「カニのタテバイ」と並ぶ難関ポイント「カニのヨコバイ」が待ち受けているのです。

まずはさっき通ったガレ場を慎重に下っていきます。

そして、ついに現れました。「カニのヨコバイ」です。

ちなみに、地図的にはここ。
 ↓

そうです。上りルート=カニのたてばい、下りルート=カニのよこばい、となっているんです。

鎖の続く道を進んでいきます。

ここまでは余裕の笑顔でしたが、この先が怖かった。足の置き場が見えないのです。

岩にはりつき、必死に足場を探ります。ない…ない…。なんで!?

焦る気持ちを抑えて、左足をこれでもか、と伸ばします。でも見つからない。次の一歩が置けない…。

…ん、これか? かろうじてあったのは、岩の割れ目のような小さな隙間でした。でもそれはあまりに頼りなく、危険な匂いプンプンです。
 ↓

次の一歩を踏み出した瞬間に、ズルっと足が滑って、真っ逆さまに落ちていく自分が頭に浮かびました。

そういえば、昨日見たホワイトボードに、カニのヨコバイで負傷者が出たって書かれてなかったっけ? 重症(骨折)とか書かれてなかったっけ…?

あー、ヤバい、ヤバい……どうしよう。

いや待て。ちょっと落ち着こう。このまま進んだら危ないわ。

一度、後退して呼吸を整えていると「大丈夫?」と旦那さんが心配そうな目を向けてきました。

「ヤバいわ。足場が全然わからない。足を置けるようなとこが、どこにもないんだよ…」

「ホント? じゃあ、僕が行ってみる!」

選手交代。旦那さんに先に行ってもらうことにしました。

「気を付けて! ホント危ないから! 落ちないでね!」

「あ、行けた!」

わたしの心配をよそに、彼は一瞬で難所をクリアしました。…な、なんで? どういうこと!?

いや、彼に行けたなら、わたしも行けるはず。もう一度チャレンジします。

…んぐぐ。おいおい、足場ないじゃん。さっきと同じなんですけど。それとも、この小さな隙間を足掛かりに進めってことか?

「あー、違う、違う! もっと下! もっと下だよ!」

…え、もっと下?

旦那さんの声を頼りに、足をめいっぱい下にのばすと……あ! あった!

しっかりとした足場が現れました。どうやらわたしは、だいぶ上の方を歩いて行こうとしていたみたいです。

いや~、危ないとこだった。旦那さんがいなかったら、ここはクリアできなかったことでしょう。

カニのヨコバイ。なんとかクリア…!

岩場を下ると、

恐怖のはしごが待ち受けていました。

下を見ないように、ゆっくり慎重に下ります。

下りきると、トイレがありました。

…え?

ただの穴? なんか懐かしい…。中国のトイレを思い出しました。

なんでもここは本物のトイレではなく、携帯トイレ使用ボックスらしいです。利用の際は、事前に携帯トイレを持っていきましょう。
 ↓

さて難所を過ぎたとはいえ、油断はできません。

急な岩の道を下っていきます。

岸壁を下ったり、

登ったり、

ガレ場と

岩場の連続。

気力、体力ともに消耗します。

キツイ急登よりも、永遠に続く上り階段よりも、垂直な壁のハシゴよりも……、わたしが何よりも嫌っているのが「下山時のガレ場」です。ズルッと足が滑る感覚が嫌なのです…尻もちついて転びそうで。

ただでさえ下りが苦手なのに、「下り×ガレ場×雨」という三大悪条件が重なると、標準コースタイムの倍以上かかってしまいます。

ちなみに前剱から一服剱までのガレ場は、特に転倒事故が多発しているそうです。疲れて集中力が切れてくる頃ですからね。

焦らずゆっくり。安全第一に進みましょう。

あれ? こんなに長い道のりだったっけ…? と思うくらい、ぜんぜん山小屋に着かない。

ようやく一服剱。もう少しだ。

風に揺れるコバイケイソウ

あ、山小屋だ…!

わー! ようやく着きました。

1個500円の高級カップ麺で、登頂成功のお祝いをしたのでした。

最高に美味しかった…!

でも、晴れてる日に登りたかったなぁ……。

今回のコースタイム

・1日目:
9:47 室堂発 → 10:05 みくりが池温泉 → 10:37~11:07 雷鳥沢キャンプ場 → 13:27~14:05 剱御前小舎 → 15:52 剣山荘

・2日目:
5:26 剣山荘発 → 6:01~6:30 一服劔 → 7:46~7:57 前劔 → 9:06 平蔵のコル → 10:11~10:52 剱岳山頂 → 12:13 平蔵のコル → 12:52 前劔の門 → 14:32 一服劔 → 15:07~15:56 剣山荘 → 16:42 剱澤小屋

・3日目:
6:25 剱澤小屋 → 7:31~8:20 剱御前小舎&剱御前山 → 10:06~10:36 雷鳥沢キャンプ場 → 11:26~12:39 みくりが池温泉 → 12:53 室堂

なお、カニのタテバイ・ヨコバイの様子はこんな感じでした。
 ↓

この動画で見ると、カニのヨコバイは左足じゃなくて、右足から着地したほうがいいみたいですね(6:45あたり)。左足から行こうとしてたから、難しかったのか…?

あとこの方のように、カラビナ+スリングを使うと、万が一の時に安心かもしれませんね。(事前に練習しないと、扱いが難しそうですが)

※剱岳登山のまとめ記事はこちら → 「剱岳の登山情報まとめ。アクセス、難易度、初心者ルート、費用など

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コメント

  • ご無沙汰してます イッシーです
    待ちに待った剱岳本編、ありがとうございます。この夏、奥穂か剱か迷っていて
    槍ヶ岳のときと同様に参考にさせてもらおうと思っていたのですが、こりゃダメだ。
    妻は身長150cm、手足も長いとはいえないので苦戦は必至。奥穂も簡単とは言えないけど
    剱よりは希望が持てそう。
    もう少し経験を積むまで剱岳は見る山にしておきます。

    登頂日の天気は残念でしたね。これまでのブログを見てる限り晴れ女なのかと思ってました
    3日目は快晴だったようで素敵な写真のアップを楽しみにしています。

    by イッシー €2017/03/05

    • わぁ、イッシーさん、お久しぶりです! 剱岳の登山レポート、大変お待たせしました!!

      剱岳はホントなめたらダメですね。わたしももっと修行を積んでから行けばよかったです。カニのヨコバイはここで紹介した動画の通り、鎖をつかんでゆっくり大きく右足を真下に伸ばせば、小柄な奥様でもちゃんと届くと思いますよ。間違ってもわたしのように、変な場所で左足を伸ばさないようにしてください…(笑) 
      ただ、難易度でいったら確かに奥穂からチャレンジしたほうがいいかもしれませんね。
      剱岳に行く場合は、事前にボルダリングへ行って登り&下りの練習をしておくといいと思います。あとYoutubeでの予習も役立つかと^^

      天気は本当に残念すぎました…(T_T) わたしも自分のことを晴れ女だと信じていたのですが、今回ばかりは雨女でした。天気が良ければもっと楽しかっただろうに…いつかまたリベンジしたいですね。
      槍ヶ岳の時は何記事も書いたのですが、今回の剱岳はコンパクトに2記事にまとめちゃいました。まだまだ書かなきゃいけない記事がたまっているので。次の登山レポートは北岳&間ノ岳縦走登山レポートになりそうです。その前にいくつか旅行記をアップしたいので、登山レポートはだいぶ先になっちゃいそうなんですが、よかったらまたお暇なときにのぞいてください~^^♪

      by りりー €2017/03/05

  • 頂上の写真うれしそう
    最高の笑顔です

    by アイガー €2017/03/05

    • > アイガー さん
      ありがとうございます! 頂上に立った時は、本当に嬉しかったです^^
      このときは、下りにあんな恐怖が待ち受けているとはつゆ知らず…(笑)

      by りりー €2017/03/05

  • 劔岳は何度も上がったり下がったりでゴールがなかなか見えないですよね。昔の人は、鎖も足場も無い状態でよく登ったと思います。おめでとうございます。
    毎年、人が亡くなっている危険な山だから次に登る時も気を付けてくださいね!次回は晴れる事を祈っています。

    by アイガー €2017/03/05

    • おぉ、アイガーさんも剱岳に登られていたんですね! 本当に足場がない中で、この山に登るなんて……昔の人は超人ですよね。登るのも怖いけど、降りるのはさらに怖そう……。鎖や足場をつけてくれた先人に感謝です。
      ありがとうございます! 次回は晴れを狙います^^

      by りりー €2017/03/06

  • 初めまして。今年7月に剱岳に挑戦する予定です。いろいろ調べているうちに、このサイトにたどり着きました。非常に参考になりました。特にコースタイムを有難く拝見しました。学生時代に登山をしていたものの、70歳をむかえての挑戦で、一般男子のコースタイムは参考になりませんでした。
    この2年間、剱岳に挑戦するために1700~2000メートル級の登山を夏冬通して毎月登り、体力維持に努めてきました。貴重な情報をありがとうございました。

    by 老兵 €2017/03/22

    • > 老兵 さん
      初めまして。7月に剱岳へ行かれるんですね! 
      70歳をむかえての挑戦ですか…すごい! しかも夏冬通して毎月山に登られていたなんて…もう準備は万端ですね!

      コースタイムを参考にして頂けて良かったです。
      でも老兵さんほとトレーニングを積んでいない超初心者のコースタイムなので、老兵さんならもっと早く行けると思いますよ(特に山頂からの下りは、ノロノロ歩きだったので)。
      もし機会があれば、ボルダリング等でクライミングの練習をしておくと役立つかもしれませんね。
      素敵な登山になりますように…。応援しています!!^^

      by りりー €2017/03/22

  • カニの横ばいのあとのハシゴが1番怖かったです

    by cocoiti €2017/08/07

    • > cocoiti さん
      おぉ!cocoitiさんも剱岳に行かれたのですか!?
      カニの横ばい後のハシゴ、めちゃめちゃ怖いですよね~!一難去ってまた一難でした…(笑)

      by りりー €2017/08/07

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