雲の上の世界に、行ってきました!
最近登山を始めたばかりの初心者だというのに、無謀にも北アルプスの常念岳~燕岳を縦走して来ましたよ♪
そこは、まるで絵に描いたような絶景が広がっていました。
常念岳のアクセス
東京から、常念岳の登山口「一ノ沢(ヒエ平)」へ行くには、「毎日アルペン号」という登山バスの利用が便利です。
というわけで23時竹橋発の登山バスに乗り、登山口の一の沢(ヒエ平)に着いたのは早朝4:30。
辺りは薄暗く、びっくりするほど寒いです…!
寒さに耐え切れず、思わず近くのトイレ(←なかなか匂いがキツかった!)に駆け込みました。暖かい格好に着替えて外へ。
日焼け止めを塗ったり、足にテーピングをしたり、お菓子を食べたり、準備体操をしたり…
わたしがモタモタ準備しているうちに、同じバスで来たベテラン登山者の皆様は、颯爽といなくなってしまいました。
気づけば、東の空が明るくなっています。
用意していた登山届をポストに入れたら、
いざ出発!
ゆっくりと歩き始めます。
一の沢~王滝ベンチ
はぁ、とうとうここまで来てしまった…。無事に登り切ることができるだろか…。ドキドキ。期待と不安が入り混じります。
そもそも、ここへ来るきっかけは「山登り始めました2」という本でした。
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(すごい面白い本!マンガ形式で読みやすいです♪)
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(「山登りはじめました1」も面白いです。山好きの方、登山をはじめたい方にオススメ!)
著者が涙を流すほど感動した常念岳の頂上を、その素晴らしい山々の眺望を、わたしもこの目で見てみたい!
…そう思って、ここまでやって来たのでした。
まずは、森の中を進みます。
緑が濃い。
川の音を聞きながら、ゴツゴツとした道を歩きます。
昨夜の夜行バスでほとんど眠れなかったせいで、頭が少しぼーっとします。ゆっくり慎重に進もう…そう思った矢先。
大きな木の根を乗り越えたところで、着地のバランスを崩し、鋭い岩肌に手をついてしまいました。
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(ピンぼけしてますが)手首の左端をすりむきました。アイテテテ…。
お陰で、目が覚めましたけど!(もっと気を引き締めて行かなきゃね…!)
最初は薄暗かった森の中が、
だんだん朝の光に照らされて、明るくなってきました。
美しい黄緑色の苔や、
可憐な白い花、
水の作り出す芸術的な模様にうっとりしながら、先へ進みます。
人気山ガールの四角(よすみ)友里さんの本に「30分に1回くらいストレッチすると、疲れにくい」と書いてあったので
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小休止のたびに、足をストレッチ。
↓
ふと見上げると、青い空に白い雲。とっても気持ちの良い天気です♪
木の橋を渡って…
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(ちょっとへっぴり腰)
少し進むと
「王滝(大滝)ベンチ」に着きました。
ベンチに座って少し休憩。
小腹がすいたので、カロリーメイトや蒟蒻畑を食べて、一息つきます。
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お気に入りの「シークワーサー味」
ここで滝の水を汲んでいく人も。
王滝ベンチ~胸付き八丁
エネルギーをチャージしたところで、先へ進みます。
美しい緑の中を30分ほど歩くと、
次のポイント、「烏帽子沢(えぼしざわ)」に到着しました。
「烏帽子沢」から、さらに30分ほど歩くと
「笠原沢(かさはらざわ)」というポイントに到着。
そこから10分ほど歩いた丸太橋の先で道を間違えました。
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この左端に見えている橋の先です。
ここの別れ道を、道なりに左手へ進んでしまったのですが、正しくは右でした。
よく見たら、おもいっきり矢印出てた…!(笑)
足元に気を取られて、肝心な標識を見逃しました!
(降りてきた人が「こっちじゃないですよ」と教えてくれました。危ない、危ない…!)
右側の道は、足元にチョロチョロと水が流れていて
その先もゴロゴロとした石が沢山転がってました。
ハァハァ言いながらゆっくり登って行くと、
白い塊が現れました。夏でも雪があるとは…!(;゚□゚)
(ブログにUPするのは遅れてしまいましたが、北アルプス縦走は7月下旬に行きました)
雪を横目に登って行くと、
「胸付き八丁」に到着。
その名の通り、ここは心臓破りの急な階段です。
ドーン!!!
(…って、あれ?写真じゃ全然“心臓破り”感が出ないですね)
胸付き八丁~常念小屋
大きく深呼吸して、息を整えてから登ります。
ハァハァ言いながら登っていくと、
斜面には高山植物が。かわいい♪
気持ちがフワッと軽くなります。
でも足の疲労は溜まっていたようで、
「最終水場」に着く頃には、足首が少し痛み始めていました。
「最終水場」はその名の通り、水を汲めるポイントです。
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ポカリ?の粉を溶かして飲む人も多いみたい。
実は、わたしたちが通ってきたこの「一の沢コース」は、「水筒いらず」のコースらしいのです。川に沿った道を行くので、水を汲めるポイントが多いんだとか。
そうとは知らず、1人2Lも水を持ってきてしまいました…。 重たい。。
最終水場からはひたすら登りが続きますが、10~15分おきにベンチがあります。
第一ベンチ「あと800m」
第二ベンチ「あと500m」
第三ベンチ「あと300m」
頂上までの数字が短くなるたびに、心が軽くなっていきます。
あともう少しだ…!
おぉ!
「常念乗越(じょうねんのっこし)」に着きました。
そして霧が濃くてよく見えなかったのですが、このすぐ先に「常念小屋」がありました。
山小屋の右手にはテント場もあります。テント場は1人1,000円です。
テントだと安くていいなぁ。山小屋は食事付きだけど、1泊1万円近くするもんなぁ。
でもテント泊の人は、テントとか食材とか調理器具とか、いろいろ担いでこなきゃならないから大変だよなぁ~。今でさえ荷物が重くてヒーヒー言ってるわたしには、ちょっと無理だなぁ。。
…なんてぼんやり考えていると、急に霧が晴れて、
山小屋の奥に、美しい山々が現れました。
おぉ!あそこに見えるトンガリ山は…
「槍ヶ岳(やりがたけ)」ではないですか…!
ひときわ高く尖ったこの山が、登山者の憧れ「槍ヶ岳」です。
遠くからでもひと目でわかる、圧倒的な存在感!カッコイイ!!(≧▽≦)
常念小屋は、木のぬくもりが感じられる綺麗な山小屋でした。
※常念小屋の詳細は、次回詳しくまとめます。
常念小屋でランチを食べたら、いざ常念岳の頂上を目指します!!感動の景色が見られるか!?
って、うわ、視界が悪すぎ…!!
いよいよ常念岳山頂へ!
小さなバッグに水や雨具など最低限の荷物を詰めたら、山小屋を出発!!
お天気は、どんより。…っていうか、霧が濃くて先が見えない。。
こんなんじゃ、せっかく登っても頂上からの絶景は見られないかもしれないな…
でも、せっかくここまで来たんだから、行くだけ行ってみよう!
↑
横風にやられたのか、すっかり腰が曲がってしまった木々。
山の神様、もしいらっしゃいまいしたら、どうか一瞬だけでも良い景色を見させて下さい…。そう心の中でお願いしていると、山の神様が一瞬の晴れ間を見せてくれました。
…おぉ!!山の神よ、ありがとう~!!その調子で、どうか頂上でもお願いします~!!!
最初は砂利道だったのが、
だんだんと険しい石の道に変わりました。
岩と岩の隙間に咲く花は、強くてけなげ。
荷物が減った分、足取りは軽いのですが、なかなかペースが上がりません。
ときどき不安定な石がゴリッと滑るので、バランスを崩しやすいのです。おまけに坂の傾斜もきつく、少し登っただけですぐに息がきれてしまいます。
山なのか、岩なのか、なんだか分からなくなる道を、
ときおり現れる矢印の表示に従って、黙々と登ります。
石が多くて登りにくいなぁ…っていうか、頂上はまだだろうか?もう1時間以上登っているのだけれど。。
なんか、だいぶ足首が痛くなってきたよ…(´Д`) =3 もう無理かも…。夕食の時間に間に合わなくなりそうだし、引き返した方がいいかな。。
だんだん気持ちが弱くなり始めたとき、ふと顔を上げると、頂上らしきものが見えました。
うわぁ…まだ、だいぶ距離がある。。でも、行けるところまで行ってみよう!
ようやく頂上に着いたぞ!
と思ったら、頂上ははるか先でした。まだ歩くのか(´Д`)
大きな岩の上をよじ登っていくと、
ついに、本当の頂上へたどり着きました!
うおぉぉぉ!!やっっっと着いた~!!!
常念岳の山頂は想像以上に狭く、ゴツゴツとした大きな岩が転がっていました。
一段低いところの岩場に座って、眺望を味わいます。
雲が多かったせいで、正直、求めていた「絶景」とは違ったのですが、雲の合間にチラチラと見える槍ヶ岳を眺めていると、何とも言えない達成感が込み上げてきました。
目の前に広がる山と、ゆっくり流れる雲は、見る者を雄大な気分にさせてくれます。
一時はあきらめそうになったけけど、なんとか登ることができて良かった…。
常念岳山頂~常念小屋
さて。
しばらく達成感に浸った後には、
地獄の下りが待っていました…。
「行きはよいよい 帰りはこわい」とは、まさにこのこと。(まぁ、行きも辛かったんだけど)
とにかく足場が悪くて、何度もズルッと滑っては、ヒヤリとした汗が背中をつたいます。
滑らないよう慎重に足を運ぶ分、登りよりも時間がかかってしまいます。
1時間ほど歩いてようやく山小屋が見えてきたのですが、ここからが長かった…。もうゴールは見えているのに、そのゴールがなかなか近づいてこないのです。
このままじゃ夕飯の時間に間に合わない…!
気持ちばかり焦って、身体が追いついていきません。足の疲労は、すでに限界を迎えていました。
あまりの足首の痛さに、少し休憩しようとしゃがみ込んだら、そのまま動けなくなってしまいました…。
はぁ。。立ち上がりたいのに、立ち上がる気力がない…。足首が痛すぎる…。
ていうか!この山、下りにくすぎるよ!石が多すぎだし、こんなの無理でしょ!!んもうっ…!!!(≧口≦)
ついにわたしは、行き場のないイライラを、山へとぶつけ始めました。
「もう、こんな山、二度と登るかっ!」
心の中でそう叫んだ後、ハッとしました。
ヤバイ!せっかく山の神様が良い景色を見せてくれたというのに、グチグチ文句ばかり言うなんて、わたしはなんと罰当たりな人間だろうか…!こんなんじゃ山の神様を怒らせてしまう!
神の怒りに触れる前に、大慌てで謝ります。
「すみません、山の神様。先ほどは少し感情的になってしまいましたが、晴れ間を見せてくださり、ありがとうございました。やっぱりこの山、好き…とは言い切れないけど、嫌いじゃないですよ。とりあえず、ありがとうございます…」
心の中でそう言って立ち上がり、「ありがとう、ありがとう…」と呪文のように言いながら下りました。すると、心なしかスムーズに下ることができました。
やっぱりどんなときも心の持ちようが大事なのかもしれません。グチグチした気分で下ると、注意散漫になって事故を起こしやすいけど、感謝の気持ちをもって下れば、丁寧で的確な足運びが出来るのかもしれないなぁ…などとぼんやり考えていると、山の神様はさらに素敵なプレゼントをくれました。
なんと特別天然記念物の「雷鳥(ライチョウ)」が現れたのです。
雷鳥は、人間が少しぐらい近づいても逃げる様子はありません。
これは、日本人が大昔から雷鳥を大切に扱ってきた証だそう。(海外の雷鳥は、人間を見るとすぐ逃げるらしいです)
雷鳥の姿にホッコリしたところで、
ようやく山小屋へ帰ってきました。ふぅ…。なんとか夕飯の時間(17時)に間に合いました。
…まぁ正確に言うと、2分遅れたんですが、
食堂の前には行列ができていたので、全然余裕でした。よかった^^
一の沢~常念小屋・常念岳 コースタイム
4:30~5:44 一ノ沢登山口 → 6:04 山の神 → 7:12~7:36 王滝ベンチ → 8:02~8:09 烏帽子沢 → 8:43~8:52 笠原沢 → 9:43~9:49 胸付き八丁 → 10:17~10:41 最終水場 → 10:57~11:04 第一ベンチ → 11:18 第二ベンチ → 11:27~11:33 第三ベンチ → 11:47 常念乗越 → 11:55~13:00 常念小屋チェックイン、ランチ → 14:40~15:08 常念岳頂上 → 17:02 常念小屋
次回「常念岳の山小屋【常念岳小屋】宿泊レポート。食事やトイレ情報など」へつづく。
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書いている人
りりー
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コメント
> ハレー子 さん
こんにちは☆
お陰様でお天気に恵まれました♪
ハレー子さんも常念岳登られたんですね~!
雨の登山は辛いですよね…(´Д`) でも、その合間に晴れがあってラッキーでしたね♪晴れのありがたさが、余計に身にしみそう…!^^
11/18 追記
すいません!間違ってハレー子さんのコメントを消してしまっていたことに今気付きました…(;゚□゚)
こちらのseesaaブログのコメント管理画面にイマイチ慣れておらず…ホントすみません(T_T) 懲りずにまたコメント頂けたら嬉しいです☆
by りりー 2014/11/16
りりーさん、こんにちは。
登山記事楽しみに待ってました。
さすが北アルプスは絶景ですね。
山小屋泊もうらやましいです。
こちらは来年雲取山荘に泊まる予定です。
星空がきれいということで楽しみにしています。
by こぐっち 2014/11/18
> こぐっち さん
楽しみにしてくださって、ありがとうございます^^
北アルプス、本当に絶景でした…!!
雲取山いいですね~!東京都の最高峰ですよね。わたしもいつか登ってみたい山です♪
by りりー 2014/11/18
この白い花は、ヨツバヒヨドリではないでしょうか。アサギマダラが好きな花です。(*.*)
by senda3 2016/09/20
>senda3さん
わぁ!「ヨツバヒヨドリ」で検索したら、まさに同じ花が出てきました!!
「アサギマダラ」って、とっても美しい蝶なんですね~!
教えてくださってありがとうございます(≧▽≦)
by りりー 2016/09/20