北岳の山小屋に泊まった夜、悲劇が起きました…。
北岳には「北岳肩の小屋」と「北岳山荘」の2つの山小屋があります。
今回は両方に宿泊してみたので、2つの比較と、私の体験した山小屋での悲劇について書いてみます。
※山小屋での悲劇だけ知りたい方は、こちらまで飛んでください。
北岳の山小屋比較
北岳の山小屋に泊まる際、よく候補に挙がるのは「北岳肩の小屋」と「北岳山荘」の2つです。
北岳山頂までは「肩の小屋」からなら約40分、「北岳山荘」からなら約1時間半かかります。
立地的には「肩の小屋」のほうが北岳山頂に近いですね。
< 北岳肩の小屋 情報 >
・電話:090-4606-0068 / 080-9524-5262
・営業:6月中旬~11月上旬
・料金:1泊2食8,500円。素泊まり5,500円。お弁当1,000円。
・テント場:1人700円。50張り。風の強い日は、外出時にテントが飛ばされることがあるので、確実なテント設営技術&山岳テントが必要。
・メモ:宿泊は事前予約が確実。収容人員150人。水場は下り15分程度。小屋だと水1L:100円。自炊場あり。標高3000m。
1泊2日で間ノ岳も登るなら、「北岳山荘」のほうが便利かもしれません。
< 北岳山荘 情報 >
・電話:090-4529-4947 / 055-282-6294
・営業:6月中旬~11月上旬
・料金:1泊2食8,700円。素泊まり5,800円。お弁当1,000円。
・テント場:1人800円。80張り。
・メモ:10人以上の団体以外は、予約不要。収容人員150人。水場あり。標高2900m。
ちなみに、もう少し下のほうにある「白根御池小屋」に泊まるという選択肢もあるんですが、
朝早く山頂へ着きたいなら、やはり「肩の小屋」または「北岳山荘」に泊まるのが良いと思います。
「白根御池小屋」は、宿泊した人に感想を聞いたところ、「新しくて綺麗で良かったけど、寝る部屋が少し狭くて足がぶつかる感じだった」とのこと。
ただ「肩の小屋」や「北岳山荘」ほどは混雑してないそうです。
< 白根御池小屋 情報 >
・電話:090-3201-7683
・料金:1泊2食8,300円。素泊まり5,500円。テント1人500円。お弁当(昼食)1,100円。
・部屋:10畳の部屋と8畳の部屋が12室。混雑時以外であれば、個室も可能(別途+5,000円)
・メモ:水場、自炊場、乾燥室あり。携帯は圏外みたい。テント場は50張り。標高2230m。
以下、今回泊まった「肩の小屋」と「北岳山荘」の宿泊レポートです。
北岳肩の小屋 宿泊レポート
朝早く登山口を出発して、
「肩の小屋」に着いたのは、お昼頃。
受付でチェックインを済ませ、
荷物を置いたら、
階段を上がって、
2階の部屋に行きます。
2階は仕切りのない大きな部屋になっていて、
指定された番号の位置で寝るスタイルでした。
番号が書いてあるところが1人分のスペースなので、かなり狭い感じです。
トイレや水場は外にあります。
トイレは男女兼用
こちらは素泊まりの方用の自炊室。
水は1Lにつき100円と有料です。洗顔や歯磨きの際も、買った水を使う必要があります。
夕食は先着順で、早いグループは16:40~。我々は17:10~でした。
明日の朝食は5:00~並んだ順とのこと。すごく並びそうだったので、お弁当に変更しました。
お弁当は19時頃に受け取りました。
中身はこんな感じ。
↓
ご飯、きんぴらごぼう、魚、芋、たくあん、ゼリー…って感じでした。
夕飯を食べたら、部屋に戻って早めに寝ます。
布団はいわゆる「せんべい布団」で、寝心地はそんなに良くなかったです。でも疲れていたのですぐ眠りにつくことができました。
しかし…。
深夜3時に、バタッバタッ…ガサガサ…という音で目覚めました。
ご来光を見に行くグループが、準備を始めたのです。布団をたたんだり、荷物をガサガサあさったり、懐中電灯で周りを照らして探し物を始めたり。
…ちょ、まぶしい!!
懐中電灯の光ってすごく強いので、部屋の中では使わないで欲しいんですよね。。
スマホの液晶(画面が暗くなるアプリを入れたやつ)か、光の弱い赤ライトを使ってほしいのだけども。。
↓
やっぱり仕切りのない大部屋だと、こういうところが嫌ですね。しまいには、ランタンを取り出して、周囲をずっと明るく照らし続ける人まで現れて…。
本当はもうちょっと寝ていたかったのですが、うるさいしまぶしいし…で、とても寝ていられなかったので、仕方なく起きました。
外に出ると富士山が見えて、綺麗でした。
< 北岳肩の小屋の個人的評価(5点満点)>
・食事:★★
・スタッフのサービス:★★★
・部屋の広さ・快適度:★★
・布団の寝心地:★★
・その他サービス:★★(水が有料)
・総合:★★(2.6)
次に、もう一つの山小屋「北岳山荘」の宿泊レポートです。
北岳山荘 宿泊レポート
早朝に肩の小屋を出て、北岳に登り
北岳山荘に着いたのは、朝8時頃。
受付を済ませた後、
誰もいない部屋で少しのんびりしました。
ここは肩の小屋と違って部屋が分かれているため、昨日より落ち着いて眠れそうです。
トイレはやはり、男女兼用。
肩の小屋と違って、水は無料でした。
山雑誌の置かれた本棚や
乾燥室、
自販機もありました。
こちらが食堂。
我々が行った日は18時から夕食だったので、少し早めに並び、一番乗りで食堂に入りました。
おひつが近くにあったので、後から来た同じテーブルの人のご飯をよそってあげてたら、スタッフの方から、「18:20までに食べきって食堂を出て下さい」というアナウンスが…!
時計を見ると、指定の時刻まではあと15分もありませんでした。…じ、時間がない!! 人より食べるのが遅い私は、大慌ててご飯をかきこみました。
今日の夕飯はサバの味噌煮。肩の小屋のご飯より、美味しかったです。かなり慌ただしかったけれど。
夕食後、外に出ると、綺麗な夕日を見ることができました。
部屋に戻ると、みんなが布団を敷いていました。
完全に足の踏み場がない状態…!
私は入口に一番近い布団だったので、夜中トイレに行く人に足を踏まれそうだな~と思いつつ、眠りにつきました。
ちなみに、布団はしばらく干していなかったのか、少しホコリっぽかったです。
早朝3時に、ご来光を見に行く人たちが布団をバタバタ畳んだせいで、ホコリが舞って、くしゃみが止まらなくなりました…^^;
朝食は4:30~でした。
< 北岳山荘の個人的評価(5点満点)>
・食事:★★★
・スタッフのサービス:★★★
・部屋の広さ・快適度:★★★
・布団の寝心地:★★
・その他サービス:★★★(水が無料)
・総合:★★★(3.2)
ちなみに、北岳山荘では夜中に、とある事件が起きました…。
北岳の山小屋で起こった悲劇
山小屋に泊まるとき、一番気になることといえば、どれほどのスペースが自分に与えられるのか…という点です。
混雑した山小屋だと、1つの布団を2~3人で分け合わなければならないこともあるのです。
今回、1泊目の「肩の小屋」では、4人で3枚の布団を与えられました。少し狭いですが、あまり寝返りを打たなければ大丈夫。知らないカップルと布団をシェアして就寝しました。
2泊目の「北岳山荘」では、早い時間にチェックインをしたおかげか、1人1枚の布団を与えられ、大喜びしていました。
…が、夕方になると人が増えてきたようで、やはり4人で3枚の布団を分け合う形となりました。
そしてその夜、悲劇が起きたのです。
夜中、
ゴオオオオォォーーー!!!!
…という強烈な地鳴りで目が覚めました。
なんだっ、なんだ!?
一瞬パニックに陥っていると、またもや
ゴオオオオォォーーー!!!!
という爆音が部屋中に響き渡りました。
目を凝らして、音が聞こえてくる方角を見てみると…なんということでしょう!
ゴオオオオォォーーー!!!!という爆音は、夫の隣で寝ているおじさんが発していたのです。
…な、なんて凄まじいイビキなの!!!!
もうね、あまりの爆音にぶったまげました。
もちろん、これまでも山小屋では、数多くのイビキに遭遇してきました。だから寝るときはいつも耳栓をして、万全の対策を期していたのです。
と・こ・ろ・が!!
彼のイビキは、次元が違ったのです。爆音というか…もはや振動。地響き。大地震。…音というより振動なのです。
太鼓の「ドン!ドン!」という音って、音も大きいんですけど、その振動が体に伝わって、全身に音が響いてくるじゃないですか。そういう感じです。もうね、耳栓で防げるレベルじゃないんです!
こんな凄まじいイビキがこの世に存在したなんて…!!
彼こそまさに、イビキ界の王様…「イビキング」と名付けよう。
それはまさに、百獣の王の雄たけびのようだった…
もしイビキングが自分の家族だったら、すぐさま叩き起こして、横向きにさせたり、口を閉じさせたり、何らかの対策をするところなんですが、彼はあくまで赤の他人。
気持ちよく寝ている他人を起こすなんて、到底できることじゃありません。
でも同室のみんなも、イビキングのせいで眠れていないようです。ため息をついたり、寝返りをうったり、咳払いをしてみたり…。もちろん、咳払いぐらいでイビキングが起きるわけもなく。。
あ!
そういや、イビキングは奥様と2人で来ていたような。奥様、どうぞイビキングを静めてくれたまえ……
そう思って奥様の方を見ると…な、なんということでしょう!
彼女は何も聞こえていないかのように、静かに寝ています。…もはや、この爆音に慣れきっているのでしょうか。さすがイビキングの妻。あっぱれです。
ンゴオオオオオオオオオオォォーーー!! ングッ!……………………………。
ンゴゴゴオオオオオオオオオォォーーーー!ンゴッ!………………………………。
イビキングの息は、たまに止まっているようです。これは睡眠時無呼吸症候群ってやつじゃないでしょうか。…大丈夫かしら?
静寂と轟音の狭間に揺れながら、私の気持ちも揺れ動いていました。
もし私がイビキングだったら、間違いなく叩き起こして欲しいからです。
自分のイビキのせいで、みんなが眠れない状況になってたら…、ひそかにみんなの恨みを買っていたら…こんなに辛いことはありません。
私だったら、すぐに起こしてほしいけれど…でもイビキングにとってはイビキが日常。叩き起こされることは望んでいないかもしれません。
でもでも…! このままじゃ、いつまでたっても寝れないし…。いっそ、起こしてしまおうか…。寝る姿勢が変われば、イビキングのイビキも消えるかもしれない…。
ありったけの勇気を振り絞って声をかけようとすると、夫に「やめな!!」と強く止められました。
…あ、そ、そうだよね、逆ギレされるかもしれないもんね。変なトラブルに発展したら困るし。。
結局、我々はゴジラの叫び声のようなゴオオオオォォーーー!!!!という爆音を一晩中聞かされ続けたのでした。
翌朝、同室の人が「昨日のイビキ、すっごかったね~!」「ほんと!全然眠れなかった。頭痛いわ…」とボヤいていました。
一晩にして、甚大な被害をもたらしたイビキング。彼のことは、いつまでも忘れないことでしょう。
「肩の小屋」と「北岳山荘」どっちがおすすめ?
「肩の小屋」と「北岳山荘」の両方に泊まってみた結果、個人的には「北岳山荘」の方が良かったです。
「肩の小屋」より新しくて綺麗だし、水も無料だし、部屋が分かれている分、落ち着けました。(イビキングに遭遇するというハプニングには見舞われましたが…)
「肩の小屋」って、一つの部屋に大人数が泊まるから、落ち着かないんですよね。人数が多い部屋だと、深夜にガサゴソ用意をしたり、懐中電灯で周りを照らす人も増えちゃうので…。
混雑具合は、私が泊まった日でいえば、どちらもあまり変わらなかったです。
でも、基本的には「北岳山荘」の方が人気みたいで、シーズン中の土曜日に泊まると、一枚の布団を3人で分け合なくてはならないほど混雑するそうです。
「北岳山荘」に泊まるなら、週末は避けましょう。
ちなみにイビキ対策ですが、普通のイビキ音であれば、良い耳栓を持っていけば、防御できます。
↓
なお、自分がイビキをかいてしまうかも…という方は、「イビキ防止テープ」を持っていくと良いそうです。
↓
イビキの心配がある方は、ぜひ試してみてください~。
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※北岳の登山レポートはこちら
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りりー
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コメント
面白かった!
by michaels 2019/09/14
わー、ありがとうございます!(≧▽≦)
by りりー 2019/09/24
北アルプスの山小屋のような設備は例外です。
雨風凌げて暖を取れて、スタッフの応対が普通なだけでもありがたいですけどね。
あまりにも酷いイビキなら、よほど怖そうな人でなければ起こして注意する方が本人のためにもなると思います。スタッフに相談してワンクッション入れてもらうのも手かと思います。
by 匿名 2020/09/21
確かに山小屋だと、スタッフの応対が良いだけでありがたいですね^^
なるほど!スタッフの方に相談して、ワンクッション入れてもらうという手がありましたか!
良いアドバイスありがとうございます!次また同じようなことがあったら、試してみますね。
by りりー 2020/10/01