近年、山での遭難事故が増加しているそうです。
楽しい登山にも、実は様々な危険が潜んでします。
山にはどういう事故が多いのか、安全に山を楽しむには何に注意をしたらしいのか…ということが「今そこにある山の危険 ~山の危機管理と安心登山のヒント ~」という本に書かれていました。
本著によると、山に多い事故は、1位「道迷い」、2位「滑落」、3位「転倒」だそうです。
sponsored link
「道迷い」の原因と対策
「道迷い」の原因は、主に登山者の勉強不足にあります。
まず「現在地の確認」ができていない人が多い。そのため気がついたら道に迷っていたということになるそうです。…うん、心当たりある。耳が痛いです(^_^;)
週末、高尾山に登ると決まったら、ガイドブックのコースガイドは暗記するくらいに熟読しておくこと。これが道迷いを防ぐコツ。
著者いわく、出発点では歩き始める前に地図を広げ、磁石で方角を確認することが大切だそうです。そして現在地から目的地へ、歩くコースを指でなぞり、方向性を確認してから歩き始めると良いそうです。
もし途中で道が道でなく、踏み跡のようになっていたり、目印が消えていたりしたら、面倒でもいったん道標まで戻ることが、道迷い防ぐ方法なんだとか。
最近は低い山での遭難事故が増えていると聞きます。たしかにあまり人気のない低山なんかは、道標がわかりにくい方向を指していたり、そもそも道案内の看板がなかったりすることもあるんですよね…。
地図と方位磁石でしっかり現在地を確認して登りたいですね。
「転倒・滑落」の原因と対策
「転倒・滑落」の原因は、主に体力不足。特に、下山時は事故が起きやすいそうです。
山登りでは、山頂に立つまでに全力を使い果たしてはいけない。体力は山頂まで3分の1、下山に3分の1、3分の1の余力を残しておかなくては安心安全な登山とはいえない。
登りで体力を使いきってしまうと、下りで転びやすくなるんですね。
また難所を通過した直後、なんでもない所で転ぶ人も多いそうです。難所で気力・体力が奪われる分、難所を抜けてホッとしたときこそ危険なんだとか。
事故らない極意はバテないこと、バテない極意はゆっくり歩くこと。山で事故らない究極の極意とは、ゆっくり歩くことに尽きる
転落を防ぐには、歩幅を小さくゆっくり歩くことが大切です。
街歩きのスピードは普通、秒速1メートル(1時間で3.6キロ進むペース)ですが、山での「ゆっくり歩き」はその半分、秒速50センチ(1時間で1.8キロ進むペース)。
著者は50分歩いて10分休憩するため、1時間1.5キロで進むそうです。(急な登りが続く場合は、30分歩いて5分休憩するなど、臨機応変に対応するそう)